クロダイの短竿釣りの仕掛けは非常にシンプルです。竿、リール、道糸、ハリス、よりもどし、ハリ、ガン玉、これだけです。2メートルほどの竿とシンプルこの上ない仕掛けで強烈な引きをかわして黒鯛を釣り上げることこそ短竿釣りの魅力なのです。ここでは、私の仕掛けをご紹介いたします。
私の愛竿は布袋竹の八更不(やさぶ)調子、2.4メートルです。竿邦作の目の詰まった素晴しい竹竿です。魚が乗ると綺麗な弧を描いて胴に乗り、無理なく魚を浮かせます。
6月、7月のカイズクラスの釣りでは細めの竿を使い、竿の曲がりを楽しみます。8月に入って力を付けた黒鯛釣りには太めの竿に持ち替えて、黒鯛の強力な引きに対処します。
リールは太鼓形リールを使います。太鼓形リールはスプール径が大きいので糸に巻き癖が着きにくというのが最大の理由です。私は富士リールのFRP-25を使っています。糸がらみがほとんどなく、糸の出もスムースです。軽量化とサミングのやり易さのためにボディーに穴を開けると良いでしょう。そのように改造したものが市販されていますが、値が張るので自作されることをお勧めします。但し強度との兼ね合いもありますから程々に。
最近の木製リールはホルダー部分が1本の棒に変えられたりして、だいぶ糸がらみの問題は解決されてきました。また木製リールは材によって値段が違い、えっと思うほど高価な物もありますが、実用ではプラスチックの物で十分です。
糸ふけに出るわずかなあたりを取るこの釣りでは道糸の選択はとても重要です。視認性の高い蛍光ラインが最適でしょう。道糸の見え方が光の具合(逆光時、白暮時、晴天時、曇天時など)で違うので、ピンク系やイエロー系、ブルー系など、さまざまな色と濃さの違う道糸があります。私は蛍光イエローの道糸を使っています。太さは2号〜3号(6〜8ポンドテスト)。随時チェックして根ずれで痛んだ部分は切り捨てましょう。
素材はフロロカーボンで決まりでしょう。パリッとしたやつです。問題は太さですが、私はシーズン通してシーガーエースの2号を使っています。潮が澄んで、食いが悪いときには号数を落としたくなりますが、そこは我慢してがんばりましょう。せっかく掛けても細ハリスでばらしでもしたら、群れはいなくなります。まして、食いの悪いときは釣人の注意力も散漫になっているので、ばらす危険性は格段に高いです。8月に入ってクロダイが力を付けてくると2号のハリスもぶっち切っていくこともあります。ハリスの傷には常に注意しておく必要があります。長さは通常一尋(ひとひろ)といって1.5メートルほどですが、2メートルくらいとって、傷ついたら詰めて針を結び直すという方法もあります。
ステンレスの極小を使います。回転のスムースなものに限ります。私はヨーズリのローリングサルカンの8号を使っています。極小でも普通のタルサルカンより引っぱりに対して強いです。チチワとチチワで直結していると餌が回転してしまい、不自然な落ち方になります。よりもどしが中重りのようになって道糸のふけに段がつくという人もいますが、私はそれも糸ふけだと思います。自然な餌の落下を演出することの方が大切だと思います。
ハリは使う餌によって使い分けます。最近はハリの軸部分を平らにしたカニ専用、貝専用などのさまざまなハリが出てきましたが、基本的にはチヌ、伊勢尼、カイズの3種類だと思います。チヌバリは万用ですが、いそめ類に使う人が多いかな。からす貝のつぶに使うとひねりが気になるという人もいます。つぶ用にひねりをなくしたチヌバリもあります。伊勢尼は軸が太く黒鯛の歯に負けない強さがあると思います。その太さゆえにつぶが開きやすくなってしまうことが少し気になりますが。カイズバリはカニに使います。エビ餌の場合は改良半すれなどの軸の細いハリを使います。号数はチヌ4号から6号、伊勢尼10号から12号、カイズ9号から10号でしょう。
何れのハリを使っていても重要なことはハリ先のするどさです。餌を刺して釣っているうちにハリ先はどんどん甘くなります。携帯用のシャープナーで常にハリ先を鋭くしておきましょう。また、ある程度使ったら、新しいハリに替えてしまうべきです。
王様印の3B〜5Bを使っています。コータックス製の純鉛のものは柔らかいので付けやすいですが同時にはずれやすいのと、何しろ高価なので使いません。大きさは潮の早さや、風の強さによって変えます。軽すぎるよりは重いほうが良いと思います。タナで釣る黒鯛は独特の趣がありますが、最近の関東の堤防では魚の数が減ってきていることや魚がスレてきているなどの理由でヘチのタナで釣ることはなかなか難しくなってきていると思います。結果として沖目を狙う、底を狙うこととなりますから、必ず底まで届く重さが必要です。
釣り道具も日進月歩で進化しています。私の仕掛けよりもっと良い道具があるとも思います。ただ一番大切なのは、自分の仕掛けに、強いては自分の釣りに自信を持って黒鯛と勝負することだと思います。皆さんの素晴しい黒鯛釣りをお祈りしています。